希望の火チームは、今年の8月から、戦火の只中にあるガザ地区に飲料水供給の支援を始めました。
始まり
7月はじめ、南ガザ地区の、デル・アルバラという小さな町の医師、フサムさんから日本のアースキャラバン(希望の火チーム)にメールが届きました。
「飲料水の供給が危機的な状況にあり、通常必要な水分の10分の1しか配給がありません。そのうえ、最近のA型肝炎の流行と劣悪な衛生状態により、私たちの健康に深刻な脅威をもたらしています。どんな形でも、どれだけの支援でも、本当に有難いのです。早急にご検討のうえお返事をお待ちしております。」
希望の火メンバー、アハメッドさん
まずは支援要請は本物か、実際に支援が可能か等を確認しなければなりません。
ここで大活躍してくれたのが、昨年春から希望の火の活動に参加しているガザ地区カンユニス出身のアハメッドさん。 芸術治療家で、今年の4月にガザからエジプトのカイロに避難しました。地元の状況は誰よりも知っています。
写真左下は子供たちにアートセラピーをする様子。右下は、脱出後のトラウマと疲労も癒えないうちに、カイロのイタリア 病院でボランティア活動開始。
昨年秋の戦争勃発から脱出するまで、希望の火も参加したクラウドファンディングで集めた資金で水や食料食料給の人道支援をしていました。文字通り爆撃をかいくぐっての危険な仕事で、何度も死と隣り合わせになったといいます。
集まった資金でカンユニスの井戸のポンプを作動させ、約4万人に安全な水を提供した経験があります。写真左下は友人と路上で料理、食料支援の準備。右下は焼きだされた人々のためにパンを焼く粘土製オーブン設置の費用を提供し、自ら焼いている様子。料理上手とのこと!
そんな彼の尽力で8月10日に初めて希望の火チームによる飲料水供給が始まりました!
供給始まる!
8月から10月初めまで、日本と海外の希望の火チームで約77万円が集められ、カンユニスとデル・アルバラの各地で約7500人に健康で安全な飲料水が届けられました!
ー アル・マーシャルキャンプ(デル・アルバラ)
ー アル・サヘルキャンプ(カンユニスとデルアルバラの中間)
ー 日本地区キャンプ (カンユニス)
(*「日本地区」は2007年に日本からの資金でUNRWAにより建設された地区で、現在は、殆どの建物が破壊され人々はテント生活を余儀なくされています。)
配給の仕組みとコスト
水は井戸からトラックのタンクに汲み上げられ、その後トラックはキャンプ近くの配給場所に向かいます。ジェリーカン等をもって集まった人々に、タンクからホースで分配されます。(写真下)
キャンプにトラックが来ないと、水を得るために危険で劣悪なな道を何キロも歩いていかなければなりません。そして、帰りは重いジェリーカンを持って帰らなければなりません。病気のひとや方手足を失った人、また両親を失った多くの小さな子供たちが、どうやって重いジェリーカンを運んで長い道のりを歩けるでしょうか。。。
トラック一台に積むタンクには3500リットルの水が入り、これは350人の一日分の必要量です。現在は1台110ドル(約16、400円)で、ポンプ用のディーゼルオイル、車のガソリン代、ドライバーの給与等すべてが入っています。
(写真左下:水配給の様子。右下:フサム医師。医療を行うのは殆ど不可能という位の状況。下:水の配給に集まる多くの人たち、半数が子供です。)
今後の支援プラン
継続的に支援した上記3か所のキャンプで水供給を続けるには、月にトラック約50台(5,500ドル=約826,000円)が必要です。蛇口をひねれば水が無限に出てくることに慣れている私たちには想像もできないことですが、、、
フサム医師のいるアル・マーシャルキャンプからのメッセージで、胸に突き刺さることばがありました。
下の動画をご覧ください、日本語Coming soon!
それは、”We thank you and hope them goodness and love.”
「ありがとう、希望の火の方々に最善と愛がありますように!」という言葉でした。
生きるのに最低限必要な水を得るのにも苦労する極限にいる方が、文字通りの地獄から、
感謝とともに、私たちに最善を祈ってくださっている(泣)。頭が下がりました。
互いをケアしあい、相手の幸福に責任を持ちあえる世界を創るのが希望の火の夢、いやミッションです。
かつてガンジーはこう言いました。
Be the change that you wish to see in the world.
「あなたが世界に見たいと思う変化を起こしましょう」
希望の火とともに、そのような世界のクリエイトに参加しませんか?
頂く支援金はガザの人々(半数が子供たち)のライフライン、命を守ります。
どのような額でも、現地で確実に活かせます!
寄付はこちらから!
・アハメッド・フレナ (Ahmed Frenah)
希望の火国際委員会・中東・パレスチナ担当
ガザ・カンユニスの難民キャンプで育つ。
この4月より在カイロ。
教育学とアートの修士号をもつ芸術治療家。
ミッションは「戦争のトラウマを持つ子供たちを癒すこと」。アーティストの繊細さと同時に支援実務にも優れた能力を発揮する、頼もしくひたむきな活動家です。
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