9月18日(水)。

朝まで降っていた雨も、出発のころにはやみ、

空の向こうから柔らかな陽が差し込みはじめました。

お世話になったぶどうの樹の皆さんに深くお礼を伝え、

HOPE80の一行は北九州から佐世保へと向かいます。

平和を走る ― ピースサイクリングの道

この日も、東條英利さんを先頭にピースサイクリングが続きます。

道の両側には、朝の光に濡れた緑がきらめき、

風がどこかやさしく感じられました。

佐世保市内に入ると、駐車場には市職員の井出さんや、

HOPE80を応援してくださる方々が笑顔で出迎えてくれました。

久しぶりの再会を喜び合う東條さんの表情は、

疲れの中にも温かい安心感がにじんでいました。

佐世保市役所での面会

 

井出さんに先導していただき、一行は佐世保市役所へ。

エレベーターの扉が開くと、

廊下には職員の方々がずらりと並び、拍手で歓迎してくれました。

出迎えてくださったのは、

柔らかな笑顔が印象的な宮島大典佐世保市長

その雰囲氣は、まるで古くからの友人に会うような温かさでした。

「相反するものから、新しい命は生まれる」

面会の冒頭、HOPE80創設者の遠藤喨及さんが静かに語りました。

「相反する存在から新しい命が生まれるのは、自然界の掟です。

かつて敵同士だった人たちが、共に未来を創るために集った。

そしてこの佐世保で、温かく迎えていただいたことに、深い意義を感じています。」

その言葉に、市長も、職員の方々も深くうなずき、

会場には静かな感動が広がりました。

笑顔を生んだ “佐世保バーガー”

続いて、トルーマン元大統領の孫、クリフトン・トルーマン・ダニエルさんが、

会場を和ませるように語りました。

「自転車で来る途中、ハワイアンバーガー(佐世保バーガー)のお店を見ました。

通りの向こうにはアメリカ人もたくさんいて、

ちょっとアメリカに帰ってきたような氣分でした。」

その言葉に一同が笑顔に包まれ、

緊張がやさしくほぐれていきました。

祈りと感謝、そして希望の灯

最後に、宮島市長に、希望の火に祈りを込めていただきました。

「HOPE80の活動が実を結び、

世界恒久平和が実現しますように。

心よりお祈り申し上げます。」

その言葉とともに、

市長は希望の火に静かに手を合わせてくださいました。

 

北九州に続き、佐世保でも温かく迎えてくださった人々の笑顔。

その一つひとつが、HOPE80の灯をより明るく照らしてくれたようでした。

次なる地、長崎へ

祈り、笑い、そしてつながる――。

佐世保で過ごした一日には、人と人との絆の尊さが溢れていました。

出会いは偶然ではなく、希望を運ぶ “風” のようなもの。

その風に導かれるように、HOPE80一行は、

ピースサイクリングの最終地、長崎へと向かいます。