Alice Kerschbaume

希望の火国際委員・オーストリア
Alice Kerschbaume (アリス・ケルシュバウム)

アッシジのフランチェスコ

 

聖フランチェスコ(1182-1226年)という方をご存知でしょうか?
その生涯は、大変感動的で、とても興味深いものです。

フランチェスコは、大金持ちの家に生まれ、戦争捕虜となり、やがて不思議な夢を見るようになります。
ついには、十字架から語りかける声を聞いて、教会の修復を始めました。

貴族として生きることを拒否したフランチェスコ。そんな息子に激怒した父親はフランチェスコを勘当し、家のお金を全部返すように要求しました、
フランチェスコは、父親にお金を全部返しただけでなく、衣服まで全て脱ぎ捨てて出て行ったそうです。

当時、カソリック教会は、腐敗が進み、人々の信頼を失いつつありました。そんな中で、フランチェスコは、ボロをまとって清貧に生き、イエスの如く病人を助けました。
やがて、その真摯な生き方や説教は、人々の心を捉え、「小さき兄弟会」という修道会が設立されました。

今やフランチェスコは、中世イタリアにおける最も著名な聖人の一人であり、イタリアの守護聖人となっています。
(出展:ウィキペディア

 

 イタリアのアッシジには、聖フランチェスコ大聖堂があり、そこには「アッシジの平和の火」が常灯されています。

 そして、2022年7月28日、「アッシジの平和の火」が「希望の火」に合祀される式典が行われました。

 

Basilica of Saint Francis of Assisi1 Basilica of Saint Francis of Assisi2

 この式典で、ブラザー・トマス・フライデル修道士は、以下のようなメッセージを話されました。

 「『アッシジの平和の火』は、フランチェスコを守護神とする、イタリア統一の証であります。

 そして、このランプは戦時中に寄贈されたものであり、平和の証としても燃えているのです。

 フランチェスコが常に人々に語りかけた挨拶は、”Il Signore ti dia la pace(主よ、貴方に平和を与えたまえ)” でした。なぜなら、真の平和は神から来るものであり、祈るというのは、それを確信することだからです。

 フランチェスコはエジプトまで旅し、スルタンの前で祈りました。そして、十字軍の只中に、ムスリムと対話し、平和のメッセージを伝えました。

 「希望の火」の中には、悲劇的なものもあれば、特別なものもあります。どれも非常に重要なものです。                                   

 そして、聖フランチェスコ教会の火は、この火と結ばれたのです。そして今、フランチェスコは、この重要な「希望の火」の中に臨在しています。これは、大変貴重なことです。

Basilica of Saint Francis of Assisi3 Basilica of Saint Francis of Assisi4

 アッシジは平和を創るための場所の一つであり、現在も尚、多くの努力が行われています。その象徴は、この「希望の火」として、美しいしるしとなりました。

 ありがとうございます。私たち兄弟、皆からの感謝の気持ちを受け取ってください。

 私たちは、あなた方がこの光(火)を運んで下さることを大変嬉しく思います。

 主があなたに平和を与えてくださいますように。(Il Signor ti dia pace)

 そして、兄弟フランチェスコと姉妹クレアの祈りによって、神の三位一体があなた方を祝福し、守ってくださいますように。

 父と子と聖霊の御名によって。アーメン。」