「昔の敵は今の友」ー新たな絆が過去を癒し、未来を創るー
第二次世界大戦が終わりを告げた8月15日、アルクマール(オランダ)で、希望の火と共に、異宗教融合による追悼の祈りを行いました。
通常、このような集まりは、自国の犠牲者の追悼です。
当時の敵国の人と一緒に集まって、両方の犠牲者のために祈ることは、まずありません。
それは、癒えない傷があるからでしょう。
無意識的に、他者・他国を、加害者として捉える気持ちが、
どちらの国の人のためにも祈ることを、妨げているのかもしれません。
しかし、希望の火は、全ての人、霊を等しく照らします。
互いを抱擁させ、結び合わせ、変容させます。
希望の火には、そんな量り知れない力がある、と実感しました。
1)「この日は、国籍と過去の歴史を超え、平和な世界という未来に目を向けて、希望の火で祈ります。」
2)「共に祈ることで、戦争で亡くなった霊に喜びを与えることができます。
その事実を、実際に体感して頂きます。」
3)「子供のような素直な心でいらして下さい。
また、特別回向(犠牲者の霊が天に登っていく)したい方がいらしたら、お名前を書いて持ってきてください。」
趣旨がとてもユニークだ、ということで、新聞でも、大きく取り上げられました。
集まった方々の国籍はオランダ人、日本人、インドネシア人。
蘭領インドネシアで交戦した、まさしく「昨日の敵」同士の国の人々です。
日本軍の強制収容所で、ギリギリのところで生き延びた父を持つセラピスト。
蘭日両国の占領で、家族の人生が大きく狂ったインドネシア人。
ユダヤ人迫害の歴史が、世代を超えてトラウマとなっているユダヤ系オランダ人など、様々。
「日本人の方も、戦争で帰らぬ人となった家族の名前を書いて、持って来られました。」
.<後編に続く>
玉本三和 (たまもと みわ)
希望の火国際委員会・オランダ及びヨーロッパ担当
95年に渡仏、シュタイナー教育と人智学の芸術治療を学ぶ。
99年からオランダ在住。
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