プロローグ 〜今回のミッション〜

「世界中(主にアジア各国)から、仏教僧侶2,000人が集まる「国際サンガフォーラム」で喨及さんがスピーチするので、これに同行参加する」

フォーラムは、パーリ語文化圏とサンスクリット文化圏の僧侶(簡単に言えば、「上座仏教」と「大乗仏教」)が集まるという、歴史上かつてない試み。

ファインダー越しに見えてきたのは?

ジャイディープさん、シッタルダさん、トーシャ・ガンジーさん。

誰と会っても、喨及さんが遊心で心を通わせているのが、カメラ越しにも伝わってきました。

それは、後の国際サンガ・フォーラムで出会った僧侶や、スタッフの人々に対してもそうでした。

僕は、「如来の一人子として、誰をも大切に扱うということは、こういうことなのか。」

「人に如来の臨在を感じせしめるということは、こういうことだったんだ」と感じ入りました。

喨及さんが、ただただ、ひたすらそう振る舞い続け、それが、「たった一度、5分会っただけ」のような出会いを生み、さらに、未来につながる動きへと発展していく光景を観たのです。

日頃の人に対する振る舞いが、どう未来に発展していくのかという、まさにその実際を、僕はリアルに体験させて頂きました。

「そうか!MyHopeなどのプロジェクトも、そうやってできていくんだ。

 世界を極楽浄土にするということは、こういうことなんだ!」と思いました。

喨及さんに起きていく、奇跡のような出会いの一つーつの場面に立ち会い、これまでの学びが、心のより深いところに刻まれていくのを感じました。

↑ムンバイにて                     ↑アミナダブの音楽を会場で流してくれたジェファーソン

僧衣を着るということ

今回のフォーラムには僧侶として参加するので、当然ですが、僧衣を着ることが多かったです。実は、僧衣を着ることには、前からなんとなく抵抗がありました。

僧侶として見られることを、まだまだ引き受けきれていないのと同時に、人々から見られる存在になる、個人では済まされないようになるようになることも、無意識的にも感じていたからだと思います。

下手なことはできないというか、自分の振る舞いを振り返らざるを得ません。
また、何かしらのエゴも刺激されるのも感じます。

世間の僧侶に対する、肯定的でないイメージも、自分の中にあるように思います。
さらに僧衣を着るだけで、常に僧侶を代表しているような、そういうプレッシャーも感じていたのだと思います。

そんな中、喨及さんから、「僧衣を着ることは、大霊の子として生きる手本を示すこと」と聞きました。さらに「宇宙大霊の臨在を感じせしめること」だとも。(これは得度式での誓いでもあります)

それを聞いて、ごちゃごちゃしていたものが、すっと軽くなりました。そこに集中すればいいのだと。

それは、僕の中にすでにある願いでもありました。(というか、本来僧侶とはそういう存在であるはずです)

それは、一般の人々の中にある、(僕の中にもあったような)世間的な僧侶のイメージを上書きしていくことであると思います。

僧衣を着ることは、その責任を深く引き受けることであると感じました。

←ブッダガヤの大菩提寺にて

国際サンガ・フォーラム 〜「希望の火の教え」の破壊力〜

フォーラムにはダライ・ラマ法王はじめ、世界中の名だたる高僧の方々が来られていました。そして、たくさんの世界の僧侶の話を聞かせていただきました。

ただ喨及さんが議長を務めた第6セッションとスピーチは、明らかに他と違っていました。
喨及さんが事前にセッションメンバーにリサーチして、前日のミーティングで遊心を通わせており、お互いに対する理解と尊敬が、会場に伝わっていました。

さらに喨及さんは、登壇が始まる前から、メンバーを「ロックコンサートみたいにやろうぜ!と言って盛り上げていました。

←同じセクションのメンバーと、スピーチ前の一幕

そんな中で始まった、喨及さんのスピーチは、ステージと客席が分かれていない感じがありました。
その自他一体となった氣は、明らかに他とは違っていました。

ステージにも客席にも笑顔が溢れ、会場全体が、温かい氣で満ちていました。

頭で考え理解する仏教ではない。

氣のワークを土台とした、からだと心で体感する仏法(教え)。

氣のワークによる、誰の眼にも明らかなその違いは、経典や研究に依拠したこれまでの伝統仏教にはなかった、ある種の「破壊力」と言えるようなものを感じました。

僕は思いました。

「今まで、自分たちが当たり前に学び行じていたことが、こんなにも稀有で豊かなものであったのか。。。」、と。間違いなく、世界最先端の発展した内容だったんだ、と痛感しました。

スピーチ後、たくさんの僧侶の方々が、学びたいと言って来られました。

これから世界の仏教界、宗教界にも「希望の火の教え」が伝わり、そして導いていくのだ、と予感しました。

そして、国際サンガフォーラムが終った翌朝、菩提樹の下でダライ・ラマ法王を導師として、「世界平和を祈る法要」が行われました。世界各地の僧侶が集まり、それぞれのやり方で約3分づつリレーしました。

それぞれ国や宗派によって着るものが違い、言葉が違い、唱え方が違います。
その多様性は豊かで素晴らしいものです。

場にも濃密な時間が流れました。
しかし、祈りの時間は意外と短く、僕個人としては、少し物足りなさも感じました。

けれど、その時、いずれあらゆる宗教の人々とともに、「希望の火声明」をする日が来る、と思いました。

そんなイメージが湧いて来た時、例えようのない喜びと融合を感じました。
これまで遠かったものが、近い未来に起こることとして感じました。

妙に現実感をもって感じられました。
その時、僕は、「これは、必ず達成される」と確信しました。

←遠藤喨及さんのスピーチ(日本語字幕)はこちらからどうぞ

何度生まれ変わっても

フォーラムも終わってブッダガヤを発つ前日。12月24日、あみさんと僕の得度式をしていただきました。得度式にあたり、改めて3つの誓いをたてました。

1)何度生まれ変わってもこの道を往く。
2)三宝為先(三宝<仏法僧>が優先順位の一番)とする。
3)僧侶とは、本来、如来の実在を認識させる見本となる存在。自分の生き方や、日頃のふるまいが、如来実在の見本になるように生きる。

インドに来る前、もちろん決意はしていました。しかし、インドに来て、自分の至らなさに直面し、懺悔が深まりました。

またフォーラムを経て「希望の火の教え」を弘通する責任と喜びを、改めて感じさせていただきました。

そのおかげで、もはや迷ったり、躊躇することなく、静かな氣持ちで、一歩を踏み出すことができました。

喨及さん、まゆさんはじめ、ご先祖さまやこれまでに出会った人など、僕をここに連れてきてくれた全ての、あらゆる存在への感謝の念が湧いてきました。

これからは、世界的にも「自灯明 法灯明」(自らを灯火とし、法/教えを灯火とする)の時代に突入していく、と感じています。

ただ、学ばせていただくだけの時代は終わり、これからは一人ひとりが「希望の火の教え」を体現し、与え、伝え、弘通していく時代に突入したことは間違いありません。

「希望の火の教え」は、ダイレクトに世界と三世(過去現在未来)に通じていることを、実感させていただきました。

『希望の火』と「希望の火の教え」を、これからの時代の旗印とし、新しい世界を創って往く覚悟を決めました。

馬場 山往(ばんば・さんの)
希望の火アンバサダー・滋賀

20代前半はバックパッカーとして、主にアジアを旅する。楽しいことを求めてのその日暮らし生活の果てにうつ状態になり、道を探し求めてタオ療法に出会う。
和田寺の修行、平和活動にも献身し、タオ療法臨床家となる。
タオ療法創始者で、音楽家でもある遠藤喨及師が結成したバンド「AMINADABU(アミナダブ)」では、パーカッションを担当している。2023年インドで得度する。