東京でのレセプションパーティーを終えた翌日、「HOPE80 JAPAN」の一行は広島へと向かいました。
この地で待っていたのは、かつて“原爆を落とした国”と“落とされた国”の子孫たちが、初めて出会い、
共に祈るという歴史的な瞬間でした。
広島での再会、そして初めての対面
到着してすぐ、約50名の方々を招いた広島レセプションが行われました。
旅の疲れも見せず、参加者たちは笑顔で語り合い、平和の輪がまたひとつ広がっていきます。


翌朝9月13日(土)。
朝食の席で、ついにクリフトン・トルーマン・ダニエルさんと
東條英利さんが初めて顔を合わせました。
オンラインで出会って10年、ようやく迎えた初対面。
「いろいろ考えていたことはあったけど、結果ただの起き抜けのおじさん2人だった」と笑いながら語る英利さん。
そんな自然体のやりとりこそが、お互いの心の距離を一気に縮めていきました。

原爆資料館で見た“人間の現実”
午前中は広島平和記念資料館へ。
石田芳文館長自らが案内してくださいました。
初めて訪れたメンバーは言葉を失い、10代の参加者たちは涙を流しました。
確かに、原爆を落としたアメリカは加害者であり、広島は被害者である――それは事実です。
けれども、80年を経た今、私たちはその枠を超える時に来ています。
「これは“人類”の問題。人類全体が加害者であり、被害者でもある。」
過去を責めるのではなく、人間としてどう未来を生きるか――
その問いが、静かに胸に刻まれました。


慰霊碑に捧げた祈り
資料館のあと、一行は平和記念公園へ。
“希望の火”にも合祀されている「平和の灯(ともしび)」の向こうには、原爆ドームが静かにそびえています。
その前で、東條英利さんとクリフトン・トルーマンさんが並んで大きな花輪を捧げました。
かつて戦争で敵対した日米の指導者の子孫。
そしてその後ろには、インドのガンジー家、
ナチスとユダヤの血を継ぐ人々の姿もありました。
全員が手を合わせ、ただ静かに祈る。
その場にいた人々は口々に言いました。
「見ているだけで、心が癒されていくように感じた。」と。




広島編、つづく。
その後、韓国人慰霊碑、ガンジー像にも祈りと花束を捧げました。
この日は本当に盛りだくさんで、午後の分は後編に続きます。
最近のコメント