9月17日(火)。
別府を出発した一行は、九州北部へ――目的地は北九州。
この旅の宿泊は、宿泊施設活性化機構(JALF)の伊藤泰斗さんのご協力によってご提供いただいたところも多いです。(東京・アジュール竹芝、別府・石のやなど)
伊藤さんが今回のルート沿いの宿泊施設にHOPE80の活動を紹介してくださったところ、
北九州のぶどうの樹グループの皆さまが「ぜひ」と名乗りを上げてくださいました。
偶然のようで、必然の寄り道
北九州へ向かう途中、昼食のために立ち寄った場所の近くに、
なんと東條英機さんの母方のご実家にゆかりのあるお寺があることが判明。
東條英利さんにとっても10年以上ぶりの再訪だったそうです。
それはまるで、「導かれるような偶然」。
静かに手を合わせる東條さんの姿に、この旅が単なる平和巡礼ではなく、
“個人の歴史をも癒していく旅”であることを感じました。

驚きと感動の「ぶどうの樹」
豊かな田園風景の中にある目的地のぶどうの樹に到着すると、その素晴らしさに一同びっくり。
宿泊施設はどれも一軒家のようなプライベート空間で、
寝室もリビングもお風呂も、それぞれに備えられています。
広い敷地には、チャペルやホール、結婚式やパーティーができるスペースまでありました。
そして夜には、HOPE80歓迎パーティーを開いてくださいました。
会場に入ると、まず目に飛び込んできたのは――
各国から集った子孫たちそれぞれの写真入りバナー。
その心のこもった演出に、誰もが思わず声を失いました。
料理も、海の幸、自社ワイン、地元の恵み。
さらにはイギリス出身のシェフが目の前でお寿司を握ってくださるという粋な計らいもあり、
みんなの笑顔が溢れる、温かく、優しい時間が流れました。




チャペルに響いた「希望の火声明」
実は、ぶどうの樹の社長さんのご子息が、
昨年、不慮の事故で亡くなられていたと伺いました。
その話を聞き、一行は自然とチャペルへと足を向けました。
静かな空間で、「希望の火声明(異宗教融合音楽念仏)」が始まります。
外は土砂降りの雨。
それでも、声を重ねるたびに、
悲しみも祈りも、音に溶けてひとつになっていくようでした。
そして――
声明が終わる頃、雨は静かに小降りに。
外に出ると、空には星々が輝いていました。

光が心に宿る夜のあとで
HOPE80は、それぞれの痛みをシェアする旅でもありました。
それは決してネガティブなものではなく、
痛みを分かち合うことで生まれる “つながり” がありました。
そこに希望の火を灯すことで、
お互いの心に、静かな癒しが訪れる――
そのことを、確かに体感することができました。
次の朝。
HOPE80の一行は、いよいよ長崎県へ。
新たな地、佐世保を目指して走り出しました。
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