広島→関西→東京(2024年7月15~21日)
遠藤喨及
ほぼ知らなかった相手と、まるで兄弟のように過ごすことになるなんて、思ってもみなかった。
“ほぼ知らなかった相手”というのは、トーシャ・ガンジー氏。言わずと知れたインド独立の父、マハトマのひ孫である。
会うのは3回目だし、到着後からお互いリラックスしたムードではあった。そこからさらに、まるで兄弟のように親しくなったきっかけは、まあ他愛もないことだ。
京都から東京までの新幹線の中で食べるお寿司を、駅で買った時のことだ。僕は自分が食べるのり巻き(400円)を選んだ後、「トーシャは、どれにする?」と聞いた。
日本語を読めない彼が選んだのは、何と特上寿司。シールを見たら、1800円もするではないか! 僕は何も言わずに購入したあとで、「おい、これ一番高いやつだぜ〜。”ひ孫を甘やかすなよ”って、あなたの曽祖父さんに叱られるかもね〜。」と笑いながら渡した。
そうしたら、“ソーリー…”と何度も謝るではないか!(席に座ってからも) 僕は、ちょっとイヤミっぽかったな、と自分を反省し、”こいつ良いやつなんだな”とも想ったのだ。(そういえば彼は、インドの農村の貧しい女性たちを支援する「ガンジー財団」を運営しているのだ) そんなことをきっかけに、お互い言いたいことを言い合うようになった。
「希望の火」と「マハトマガンジーの火」の融合セレモニー
マハトマのひ孫と僕がどうして知り合ったのか? その最初の出会いは、ニューデリーのガンジーのお墓がある公園だった。(そこには、ガンジーの火が常灯されている)
というのは僕は、『希望の火』をやっている。具体的に言えば、1つの火に人類の祈りを込めていく運動だ。
そして、現在までに、ローマ教皇やダライ・ラマ法王をはじめ、20万人以上の人類の祈りが込められている。
<ダライ・ラマ法王と希望の火>
また、その火には、1200年間燃えている空海の霊火(宮島)や、イエス変容の火(エルサレム)、本願寺の常灯明など、これまで消えることなく灯されて来た、世界各地の16以上もの火が融合されている。
トーシャ・ガンジー氏と知り合ったのは昨年の1月。「希望の火」と「マハトマガンジーの火」の融合セレモニーを行った時だ。
<ガンジーの火と希望の火の融合セレモニー。中央は、希望の火ヨーロッパ代表のアリス・ケルシュバナー師>
その後、トーシャ・ガンジー氏は、希望の火の活動に加わるようになった。
そして、アメリカで行われた、マーティン・ルーサー・キング牧師(公民権運動の父)の甥と、ネルソン・マンデラ(南アフリカ第8代大統領)の孫とのジョイントイベントにも、北米のメンバーと共に参加した。
左は、マーティン・ルーサー・キング牧師の甥。
右側の4人は、希望の火活動メンバー。
ハラハラしたり、感心したり、笑ったりの日本行脚
僕は、トーシャ・ガンジー氏の1週間の日本行脚の中に、様々なスケジュールを入れた。
広島では、共にジョイント講演した。広島市長に会い、インド総領事や元首相の鳩山友起夫さんとランチした。ダライ・ラマ事務所のアリア代表とは、気楽に居酒屋で会ったりもした。
<右が広島市長>
講演会でも、メディアのインタビューでも、トーシャ・ガンジー氏に対して、様々な質問が出た。中には、彼が何と答えるのか、僕が内心ハラハラするような質問もあった。
ところが、トーシャの答えは、まるで僕の気持ちを察したかのように当意即妙で、内心、”上手い!”と何度もうなった。
まあ、そんな風に、時にハラハラしたり、感心したり、笑ったり、黙ったり、ディスカッションしたりしながら、ずっと一緒に行動していた。
そして、彼が単にマハトマの血を引いているだけではなく、智慧とウイットに富んだ、人間観察の鋭い人だという認識に至った。
世界が1つになる日を近づけるイベントは?
さて、来年は戦後80年目の節目である。しかし未だ各地の戦火は止みそうもない。果たして、世界が1つ融合する日は、いつ来るのだろうか……?
そこで、トーシャ氏もメンバーである「希望の火国際委員会」は、これまでの歴史になかったイベントを考案した。
それは、かつて敵同士だった第二次世界大戦中の政治指導者(トルーマン大統領、東條英機、チャーチル、ガンジーなど)の孫やひ孫たちが、「希望の火」を共に携え、世界を平和巡礼するというものである。
現在、上記4人の他、ナチスの有名高官、アウシュビッツ生存者の子孫も参加表明している。ムッソリーニの孫からもビデオメッセージが来た。
……というわけで、スローガンは「昨日の敵は今日の友」で、イベント名は、『HOPE80』。
世界が1つになる日を近づけるべく、何とか実現したいものだ。
*HOPE80の3分紹介映像は、こちら→
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